BRO

信州長野県産の落葉針葉樹(唐松材)の特性を活かしたベンチ。作品タイトル「BRO=橋」のように、自然の風景の中に存在する構造物のようなシンプルで力強い造形を持つ。

ベンチの正面には、数列のパターンからデザインした幾つかのサイズのアーチを乱尺状に並べて、軽妙なリズムを作り出す。50ミリ角の唐松材を集成して、ベンチの座面・貫・脚を構成している。座面の上面を緩やかなカーブで刳り貫き、端部は柔らかく面取りを行っている。連続する等幅の板目材の表面や丸く削られた曲面には、唐松材の持つ美しい木目の表情が豊かに現れる。

唐松材特有の材の大きな捩れと暴れを防ぐために、座面と貫の接合部には蟻型のジョイントを採用している。凸型の貫に対して凹型の座面を連続して嵌め込むことによって、材の反りや収縮にも抵抗し、デザイン的なアクセントにもなっている。

木のデザイン公募展2013 金賞、第1回ウッドデザイン賞2015 入賞

制作協力:星亀木工所